2004-01-01から1年間の記事一覧

練習曲の自動生成実験(2)

コード進行パターンを別のファイルに書き出すようにしました.これで複数のコード進行の中から,ランダムに1つ選んだパターンを使うようになりました.書き出す曲の内容にはあまり変わりはありません. プログラム genexml.rb パターンファイル 出力例 自動…

ソナタ「悲愴」のその後

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過去の日記を読んでみると,悲愴の第一楽章を意地でも弾くとか思い立ってからもう1年以上経過してました.結局どうなったかというと,第一楽章はどうにかこうにか通して弾けるようになりました.とはいっても,いまだにつまずく不満な箇所はいくつものこって…

練習曲の自動生成実験

曲を自動生成して,MusicXML で書き出すプログラムを書いてみました.右手は指2本の低速トリルの連続+無いよりはマシな左手の伴奏という,相当にシンプルな練習曲を生成してくれるプログラムです.生成したファイルは Finale 2003J では少なくともまともに…

ツェルニー 100番練習曲 Op.139

なぜか手近にあった楽譜がツェルニー100番練習曲だったので,MusicXML のサンプル作成用に使ってしまいましたが,これはもともと初見演奏練習用に買ったものです.しかし,実際には 40 番あたりから難易度が急激に上がってしまうので,最初の 1/3 ほどしか使…

MusicXML によるツェルニー100番練習曲

これまで,MusicXML について大まかに見てきました.MisicXML で記述することで,楽譜についてのかなりの情報を書けることがわかりましたが,現時点では一所懸命書いてみても,ビュア(Finaleなど)に反映されないものが結構あります.何が反映されないかは Fi…

認識と読譜

運指と並んで,ピアノを演奏する上で悩ましい問題のひとつに,読譜があります.これは読んで字のごとく「譜面を読むこと」ですが,ただ読んで意味がわかればいいというものではなくて,「譜面の通り演奏できること」という暗黙の意味を秘めています.この読…

脳と運指

少し前に科学的に運指技術を考えるということをやってみたいという話を書きました.しかし,さすがに世の中は広いもので,すでに脳と指の動きとの関係を研究されている方がいるんですね.これについて書かれている本は,正しいピアノ奏法という,一見よくあ…

MusicXML による悲愴ソナタ第一楽章(3)

先に挙げた例の,残りの部分についてみていくことにします. 複数声部の入力 ひとつの楽器の譜面のなかに,複数の声部があるときには backup, forward というブロックをつかって書き分けます.ピアノ譜のように,右手パートと左手パートというように,同じ楽…

予告

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10/28-11/8 はお休みの予定です.

幻想曲 ヘ短調 Op.49

1841年に作曲されたこの曲はショパンの絶頂期の作品であり,わたしの説明するまでもなく最高傑作のひとつとして数えられています.バラードとソナタ形式を足して2で割ったような曲想になっていますが,やはりどちらとも異なっています.バラードが基本的に3…

ショパンとレコード

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幻想即興曲に感銘をうけて半年ほどは,ショパンの曲でもいわゆるメジャーな曲(子犬のワルツや華麗なる大円舞曲など)しか知らない状態が続いていました.それというのも,またショパンの曲の演奏を聴く機会といえば,NHK の FM ラジオの放送か,教育テレビ…

MusicXML による悲愴ソナタ第一楽章(2)

今回は桁や付点のついた音符の扱いと,左手パートの入力方法について見ていくことにします. 高音部2〜5音目 桁や付点音符の混じった,2〜5音目を見ていきましょう.初音のデータで出ている新しいブロックとしては,dot, beam という二つのブロックがありま…

MusicXML による悲愴ソナタ第一楽章(1)

ここまでで,MusicXML の大まかな内容がわかってきた気もするので,悲愴ソナタの第一楽章の冒頭を Finale で打ち込んで,MusicXML ファイルとして Export して,中身を見ながら理解していくことにします. Finale 20…

MusicXML 再び (3)

次に,音符や休符などを実際に指定していく Note ブロックについてみていきます. Note ブロック Note ブロックはかなり複雑です.note 自体にいくつかの属性値を書くことができるようですが,ひとまずは使わずに譜面が書けるようなので,ここでは割愛します…

MusicXML 再び (2)

楽譜の構造に続いて,各パートの内部構造について見ていきます. Part の構造 score-partwise 形式の場合,スコアは part > measure > note (music-data) の順に階層化されます.music-data としては,次のブロックを書くことができます. note: 音符のデー…

MusicXML 再び

かなり前に譜面を作成するソフトを作ろうと思いたち,そのソフトで使うファイルフォーマットとして MusicXML (by Recordare) を使おうと決めていました.思い立ってから少し時間もすぎたので,MusicXML 関連の日本語の文書も増えているかと思ったのですが,…

一部画像の不調

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日記の一部に埋め込んでおいた画像の一部が,DNS に使っているサイトの不調やポリシー変更などで読めなくなっているようです.復旧を試みていますが,しばらくかかるかもしれません.あまり内容への影響はないかと思いますが…

少し復帰

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また数ヶ月ほど海外を放浪していて,大きく間があいてしまいました.これだけ期間があいても,まだちゃんと書けるんですね.再開できたらいいのですが…

ピアノと練習曲

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ピアノという楽器は,指をつかって鍵盤をたたくことで,音程,音の強弱,音色などをコントロールすることができます.「こんな音楽を表現したい」と頭で思ったとおりに,鍵盤をたたくことができれば,どれほど楽しいでしょうか.実際には指の動きが「思って…

ベートーヴェン ピアノソナタ31番 変イ長調 作品 110

後期三大ソナタの真ん中に位置するこの曲は,他の2曲に比べると全体的に柔らかな印象を受けます.3曲通してぼーっと聴いていると,いつのまにか第三楽章のフーガの終わり近くまで進んでいて,もう終わり?という感じです.それでも曲自体は全部で20分近くも…

三大ソナタと後期三大ソナタ

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ベートーヴェンのピアノの三大ソナタといえば,いわゆる「悲愴」「月光」「熱情」の三つが必ず挙げられるようです.これらはちょうど「初期」「中期(前半)」「中期(後半)」のそれぞれを代表する作品で,しかもそれぞれの曲に極めて斬新な要素と,強烈な…

ノクターン 第2番 作品9-2

ノクターンは日本語では「夜想曲」と訳されています.ノクターンは,分散和音などの決まった一定の形式の伴奏の上に,歌い上げるような甘美な高音部の旋律を奏でるような曲のことを指すそうです.あちこちで解説されているように,もともとはイギリスの作曲…

唐突に夜想曲

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CD を整理していて,なぜかショパンのノクターン集の CD を何ももっていないことにいまさら気がつきました(全集を除いて).そんなわけで,ピリス先生のノクターン(11曲)集を買ってきて,しばらく聴いてました.なぜか,ついでにグールド先生のフーガの技…

悲愴ソナタの練習(3かも)

展開部の途中に,図に挙げたような譜面があります.右手パートの青で囲った部分に,1の指で音を保持しながら2,3,4の指でトリルを弾くように指示された場所がありますよね.具体的には1の指でCを押したまま,3 でE♭,4でF,2でD音を弾くようになっています…

平均律クラヴィーア曲集 第一巻 フーガ第二番 ハ短調 BWV847

J.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集といえば,ピアノ弾きが避けては通ることのできない曲集の一つでしょう.この曲集は,基本的には鍵盤楽器の練習曲集としてまとめられたものです.しかし,単なる運指の練習だけを目的にしたものでなく,音楽センスを磨く…

気分転換にバロック

何か曲を選んでピアノの練習をしていると,最初のうちは急速に上達していくのが目に見えて分かります.しかし,繰り返し練習してうまくなっていくにつれて,この上達の度合いが目に見えては分からないようになってきます.これは,ピアノに限らずどんなもの…

ポロネーズ 第5番 嬰へ短調 作品 44

ショパンの絶頂期にあたる1840年から41年に作曲された作品です.間違いなく傑作だと思います.しかし,その割にはいまいち(一般的には)知名度の低いですね.もちろん,ショパンの曲を演奏する人なら,まず絶対に知ってると曲だとは思いますが.演奏があま…

CD デバッグ

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DTM でピアノ曲を入力することに没頭していた頃,BBS を通じて集まった人たちで,各自1曲ずつ何かを打ち込んで MIDI データアルバムを作ろうという話になったことがありました.それで,友人の一人がこれに参加して,ショパンの英雄ポロネーズを打ち込むこと…

悲愴ソナタの練習(多分2)

第一楽章再現部の後半,変形された高速八分音符観音開き旋律(勝手に命名)の出てくる最後のところに,図で示したような譜面がでてきます.この譜面,見た目以上に意外にやっかいで(わたしには),赤で囲った音符を弾くのがかなり苦手です.特に3つ目の左手…

ラ・カンパネラ パガニーニ大練習曲 S.141-3

リストのピアノ曲の中でも,比較的有名な曲だと思います.よく知られているように,パガニーニという空前絶後のバイオリニストの曲をモチーフに,リストが超絶な練習曲として書き直したのがこの曲です.何も知らずに聞くと,ピアノの高音部が心地よく響く曲…