ピアノと練習曲

ピアノという楽器は,指をつかって鍵盤をたたくことで,音程,音の強弱,音色などをコントロールすることができます.「こんな音楽を表現したい」と頭で思ったとおりに,鍵盤をたたくことができれば,どれほど楽しいでしょうか.実際には指の動きが「思っている」演奏ほどうまく動かなくて,ある程度妥協した演奏しかできないのが現実なわけですが….「思ったとおり」弾けるようにするためには,地道な長い努力が必要なんですよね.

ピアノを練習する方法を端的にいうなら,とにかくいろんな曲を弾きまくるしかない,ということでしょう.しかし,ピアノを弾く技術というのは「これだけ全部できたら完璧!」というように,何か技術がリストアップされているわけではありません.ハノンとかツェルニーの練習曲が全て完璧に弾ければ,それは確かに完璧かもしれません.でも,これらを完璧に弾けたとして,「どんな技術が習得できたのかをリストアップせよ」といわれでも,具体的に何がどれだということはできないんじゃないでしょうか.

もうちょっと科学的に人間の手の構造や脳の仕組みを鑑み,楽曲を弾くにの必要な技術とは「どんな技術の組み合わせなのか」ということを考えた,効率的な練習方法があってもいいような気はします.「音楽のセンスを磨く」ということとは別に,「思ったとおりに指が動くようになる技術を磨く」という観点から,ハノンやリトルビシュナのような機械的な運指の練習曲を,さらにもう少し細かい要素に分解して,体系的に練習する仕組みが考えられないでしょうかね…

そんなわけで,暇を見て少し研究してみたいと思います.