MusicXML によるツェルニー100番練習曲

これまで,MusicXML について大まかに見てきました.MisicXML で記述することで,楽譜についてのかなりの情報を書けることがわかりましたが,現時点では一所懸命書いてみても,ビュア(Finaleなど)に反映されないものが結構あります.何が反映されないかは Finale などで普通に譜面を作成し,MusicXML で一旦保存してから,もういちどその書き出したファイルを読み込んで,もとの譜面と比べてみることですぐ分かります.

ぱっとみてすぐわかったのは,次のようなことです.

  • 譜面に入ってる歌詞/演奏指示以外のテキストの大半が反映されない..
  • 和音間のタイは複数残るが,スラーは一番上か下の1本分しか反映されない.
  • スラーの弧の形状を変えても,変化が反映されない.
  • 小節の横幅を変更しても,幅の情報が反映されない.
  • 音符の位置を微妙に調整しても,その位置の情報が反映されない.
  • などなど

総じて見ると,譜面を表示する上での細かな情報は残らないようです.MusicXML 自体にそういう情報を記述する能力がないかというとそうでもなく,例えばスラーに関しては本数の制限はありませんし,形状をことこまかに記述する方法も用意されているようです.もっとも,わたしが使っている Finale 2003J が反映しないだけで,Finale 2004 では反映されている可能性もあります.

試しに,ツェルニー100番練習曲の第一番の楽譜を打ち込んでみました.

譜面の内容はしたのイメージのような感じです.スラーなどの記号も可能な限り書き込んでみました.

MUS ファイルのほうは多少整形して,無理やり1ページにおさめてあります.このファイルを XML に出力して読み込ませると,スラーの表記などがおかしくなります.MusicXML は今年の初め頃にバージョンが 1.0 になったのですが,Finale 2003J はそれより前に出た製品なので,対応していないのかもしれません.Finale 2004 ではこのあたりが改善されているのでしょうか?