MusicXML による悲愴ソナタ第一楽章(2)

今回は桁や付点のついた音符の扱いと,左手パートの入力方法について見ていくことにします.

高音部2〜5音目

桁や付点音符の混じった,2〜5音目を見ていきましょう.初音のデータで出ている新しいブロックとしては,dot, beam という二つのブロックがあります.各音符のデータを抜き出してみると,下記のようになります.

  1. 1音目
    • 音程:オクターブ4のC音
    • 音長:3 (四分音符の 3/8 の長さ.付点十六分音符)
    • 表記するときの音符の種類:十六分音符
    • 棒の向き:上向き
    • 表示する譜面:高音部
    • 付点:1つ
    • 桁:最上段桁開始,2段目桁開始
  2. 2音目
    • 音程:オクターブ4のC音
    • 音長:3 (四分音符の 1/8 の長さ.三十二分音符)
    • 表記するときの音符の種類:三十二分音符
    • 棒の向き:上向き
    • 表示する譜面:高音部
    • 桁:最上段桁継続,2段目桁継続,3段目末端のみ表示
  3. 3音目
    • 音程:オクターブ4のD音
    • 音長:3 (付点十六分音符)
    • 表記するときの音符の種類:十六分音符
    • 棒の向き:上向き
    • 表示する譜面:高音部
    • 付点:1つ
    • 桁:最上段桁継続,2段目桁継続
  4. 4音目
    • 音程:オクターブ4のE-音
    • 音長:1 (三十二分音符)
    • 表記するときの音符の種類:三十二分音符
    • 棒の向き:上向き
    • 表示する譜面:高音部
    • 桁:最上段桁終了,2段目桁終了,3段目末端のみ表示
			
				
					C
					4
				
				3
				1
				16th
				
				up
				1
				begin
				begin
			
			
				
					C
					4
				
				1
				1
				32nd
				up
				1
				continue
				continue
				backward hook
			
			
				
					D
					4
				
				3
				1
				16th
				
				up
				1
				continue
				continue
			
			
				
					E
					-1
					4
				
				1
				1
				32nd
				up
				1
				end
				end
				backward hook
			

付点を示す dot という空のブロックは,付点を複数つける場合は複数指定するようです.

桁の表示には beam を使います.beam は,number が 1 のものが最も外側の桁になり,以下 2, 3, の順で内側の桁を指定することになるようです.beam ブロックに書ける情報としては,以下のものがあるようです.

  • begin: 桁の開始
  • continue: 桁の継続
  • end: 桁の終了
  • forward hook: この音符から始まる半分の桁
  • backward hook: この音符で終わる半分の桁

桁の傾きを指定する要素はないので,MusixTeX とは異なり桁の傾きなどはアプリケーションで自動的に計算する必要があるということでしょう.

休符

休符は note ブロックの中で pitch のかわりに空のブロック rest を指定します.それ以外は,音符とほぼ一緒のようです.

			
				
				4
				1
				eighth
				1