MusicXML 1.1 to 2.0

MusicXML 1.0, 1.1, 2.0 の違いを少し調べてみました.元となるドキュメントは以下のとおりです.

1.0 から 1.1 への変更点

大きなところでは,楽譜のレイアウトを定義するための layout.dtd というファイルが新たに追加されたことです.あとは,かなり細かい element がいろいろと追加されてます.個人的に大きなところでは,attribute に color が追加されているところでしょうか.基本的に 1.0 にあったものはすべて 1.1 に含まれており,完全な上位互換フォーマットとなっているようです.

1.1 から 2.0 への変更点

圧縮形式がサポートされたことと,画像などのバイナリファイルを含める方法がサポートされたことが,大きな変化のようです.そのほかにも,細かくいろいろと追加されていますが,要素の変更などはないので 1.1 の上位互換になっているようです.

Finale 関連製品

3年前は浄書ソフトといえば Finale しかなく,六万円前後払わなければ入手できませんでしたが,最近は Finale の機能を縮小した廉価版ソフトがいくつか出ていて,ほとんどの場合はそれらで用が足りるようです.無料版の Finale NotePad は前述のとおり機能制限がかなり厳しいものとなっていますが,有料版の最も廉価な PrintMusic というソフトは,Finale の機能のかなりの部分が使えるようです(それでも15k円ほどしますが・・).

そういえば先日,Finale 2008J では MusicXML 2.0 を読むことはできても書き出せないということを書きましたが,Dolet 4 Finale というプラグインを購入すれば,書き出しもできるようです.ただ,ふつうの Finale ユーザとしては,Dolet を買ってもこれ以外のメリットがあまりなさそうではありますが・・

Finale NotePad 2007

楽譜浄書ソフト Finale の機能を制限したフリーソフトの Finale NotePad というのがいつのまにか出てました.2005 くらいからあるぽっいので,相当前ですね.

使ってみた感じでは,大幅に機能制限がされているようでした.普通に譜面を入力するうえで困りそうな機能制限としては,

  1. コード入力ができない
  2. 歌詞が1番しか入れられない
  3. 譜面途中での転調,拍,テンポなどの変更ができない
  4. MUS ファイル以外に対応してない (MIDファイルに書き出せない)

というあたりでしょうか.1,2はともかく,3番ができないとクラシックな曲を入力する上ではかなり問題あります.4番は,たとえばすでに打ち込んである MID ファイルを楽譜にするようなことができません.逆に打ち込んだ譜面を別の DAW で読むようなこともできません.このように結構機能制限はきっついのですが,印刷した譜面の仕上がりのクオリティが高いのは有料版 Finale とさして変わらないので,ちょっと譜面を作って配布したいというときにはかなり便利そうです.

ちなみに Finale 2008J で NotePad 2007 で出力した譜面を読み込むと,自動的にコンバートされます.2008J 側で作った譜面は 2007 では読み出せません.このへんはちょっと困るので,早々に NotePad 2008 が出てくれることを期待したいところです.

MusicXML 2.0

しばらく脱線したり忘れてる間に,MusicXML の 2.0 の仕様書ができてました.

大きな変更としては,ファイルの圧縮がサポートされていることのようです.ただ,手元にある Finale 2008J では,MusicXML のエクスポート時になぜかバージョン 1.0, 1.1 しか選ぶことができません.インポート側は 2.0 も選べるのですが・・付属の電子マニュアルにも,

註:Finaleは、圧縮 MusicXML 2.0 ファイル(.mxl)を開くことはできますが、.mxl形式での保存には対応しておりません。

と書いてあるのでダメっぽいです.今のところ,取り立てて不都合はありませんけど.