エチュード 第24番 できるのか編(1)

広域アルペジオの練習をして曲を眺めていたのですが,いっそショパンの曲で何か・・と思っていたら,ショパンエチュード第24番が眼に入ってしまいました.じーっと眺めてみると,意外にも耳で聞くほどには難しくないかも?と大それたことを思ってしまったので,ちょっとだけお試しに練習してみることに・・.

この曲は,少し前にも紹介したとおり全曲を通して左右の手で1オクターブから4オクターブ程度の広さをもつアルペジオを,えんえんと弾いていく内容になっています.一見(一聴?)すると同じパターンの繰り返しのようにも聴こえますが,意外にいろんなパターンがあるんですね.


  • 1小節で3オクターブの間を昇り降りする(パターン1)
  • 2音目にアクセントがあるアルペジオを2小節の間続ける(パターン2)
  • 2小節で4オクターブの間を昇り降りする(パターン3)
  • 1小節で2オクターブx2の昇り降りをする(パターン4)
  • I小説で2オクターブx1の昇降+1オクターブx2(パターン5)
  • コーダ(パターン6)

曲自体の構成は結構単純で,ABA' の三部構成のようにみえなくもない構成に,短いコーダがちょっとついたというようにみえます.曲は83小節から成り,最初の A にあたる部分が 30 小節ほど,B にあたる部分が 16小節ほど,A' は 34 小節ほどあって,最後のコーダが 3 小節?という感じでしょうか.A と B の切れ目はかなり微妙.A (および A') 自体もパターン 1 を基本とする前半部と,パターン 3 を基本とする後半部に分かれてます.これらのパターンの変化をうまくつなぐように 2, 4, 5 のパターンが効果的に挿入されていて,アクセントになってます.

さてこの曲,何が簡単そうに見えるのかというと,ざっとこんな感じです.


  • よく見ると,親指と小指の間を1オクターブを超えて(9度以上)開けるアルペジオがあんまりない(あんまりないというだけ).
  • 運指パターンの種類が少なく,ある小節を練習した成果が他の小節にも生かせそう.
  • 譜面を覚えやすい.
  • 和音がない(最後以外).
  • トリルもない.
  • いやな把持音も(あんまり)ない.

逆に,難しそうなのは以下の点でしょうか.


  • 高速すぎ.しかもレガートって.指がもつれること請け合い.
  • 全体的にパワー(音量)が要求される.手が疲れて死にそう.
  • たまに1が5を飛び越える場所がある.(非常に苦手)
  • DCD のような音の並びで,D を 1 で押し,C を 2 で押すような場所が少しある(これも非常に苦手)
  • 音域がやたら広い.特に左手で高音域を押すところが難.
  • 普通に押すと不協和音に聴こえる音を,うまく弾く方法を考える必要あり.

速度については,ポリーニ先生による超合金模範演奏だと,2分30秒で弾ききっておられます.だいたい,平均すれば四分音符=133くらいの速度ですね.実際には緩急があるので,通常部分の速度は 150 くらいで弾いてる感じです.いきなり 150 は無理なので,ひとまずは 100 くらいで弾けることを目標に・・