ドレミ出版社ピアノ名曲100選

ドレミ出版社のピアノ名曲110選という楽譜集があります.昔は100選だったと思うのですが,いつのまにか110選になったんですね(記憶違い?).難易度に応じて,やさしい順に A, B, C と3つにわけて販売されているのは,昔も今も変わっていないようです.最初はショパンの曲の譜面がほしくて,ショパンの曲が一番多く入っている C を買ったのですが,これに載っている曲は当時のわたしには難しすぎてほとんど弾けませんでした.悔しいので,この楽譜集に載ってる曲を右手だけ少し弾いてみたりして,雰囲気だけを味わったりしていました.

この C の最後の最後に載っている楽譜が,リストの「ラ・カンパネラ」です.この曲だけは,とんでもないことに「右手だけ弾く」ことすら無理でした・・.恐ろしいほどの跳躍,超高速な旋律,トリルなどなど,楽譜からにじみでる「弾けるものなら弾いてみよ!」というリストのオーラに圧倒されます.どんな曲かもしらずに弾いてみることさえできず,悔しいので「これは激難なだけの前衛的抽象難解音楽(意味不明)に違いない!」と,例によって勝手に決め付けてました(ほんとこればっかり).

ところが,あるときラジオでこの曲がかかったんですよね.といっても,最初は曲名もしらず曲だけ聴いていて「知らないけど,なかなかいいピアノ曲だな〜」と思ってました.そうしたら,演奏終了後に「リストのラ・カンパネラをお送りしました」とか言われてびっくり! なんと,あの無茶苦茶な楽譜からこんな耳あたりがいい曲が生まれるとは,と耳からコルク栓が外れる思いでした(毎度のことです).そして,さっそく CD を買いに行って,間違って超絶技巧練習曲集を買ってきてしまうわけなのですが.