ピアノソナタ 21番 「ワルトシュタイン」 ハ長調 作品 53

印象的な鍵盤連打から始まるこの曲は,ひそかに珍しい「ハ長調」の曲なんですね.第一楽章,第三楽章ともに,ひたすら明るくテンポのいい曲なのですが,どこか微妙な陰があるように聞こえてしまうのは,わたしがこの曲を聴いていた頃にいろいろあったせいなのでしょうか・・.とりあえず,自分で弾くのはかなり無理そうな曲ではあります(第三楽章のトリルと階段が絶対無理!).

この曲は,熱情ソナタと同時期に書かれたかなりの傑作とされていて,熱情ほどではないにしても結構有名な部類に入る曲でしょう.このままでもそこそこ長い曲なのですが,もともとはこの第二楽章のところに長大な曲が入っていたとか・・でも,あまりに長くて難解だからやめたら?と忠告を受けて,ベートーヴェン自身が書き直したのだそうです.凄くプライドの高そうなベートーヴェンが,自分の曲を忠告をうけて書き直したということが,個人的には結構びっくりしたことだったりするんですけどね.