通学とピアノ曲

大学に通っていた頃,普通運転免許を取るために片道15kmほどの場所にあった,自動車学校に通っていたことがありました.自宅も学校もどちらも駅から少し離れた場所にあったせいもあり,電車でいっても1時間、自転車でも行っても1時間かかるという,とても微妙な位置にその学校がありました.そのため,雨の日以外はだいたい自転車で行くことが多かったんですよね.その頃は運動不足だったこともあって,片道1時間の自転車通学は相当にいい運動になりました.

ただ,1時間も自転車で通学していると,その間の時間がなかなか暇で仕方がありません.そこで,何か適当な曲でも聴きながら行こうか・・と思って買ってきたのがアシュケナージ先生の「ワルトシュタイン」「テンペスト」「告別」が入ったCDでした.これは,たまたま直前に買ったのが「月光」「熱情」「悲愴」のCD だったので,じゃあ次は「ワルトシュタイン」かな,というようなかなり適当な理由です.

この3曲が入った CD の長さがなかなか微妙で,出発直後に1曲目をかけはじめてループの状態にしておくと,全曲を2回聴いて3回目に入るか入らないかくらいのところで学校に到着する感じでした.3回目のワルトシュタインの冒頭を聞いている頃に着くことが一番多く,そのせいでワルトシュタインの第一楽章の主題を聞くと「そろそろ学校につくかな〜」と,未だに思ってしまいます.自動車学校に行く以外にも,部屋でもこの曲をかけていたりしたせいもあり,この曲を聴いているとその当時のことをいろいろと思い出したりもします.