MusiXTeX でピアノソナタ悲愴(2)

MusiXTeX を使うには,プログラムをインストールする必要があります.わたしは個人的に Windows 2000FreeBSD, Linux, SunOS などで動かしたことがありますので,少なくともそれらの OS では使えるはずです.MacOS でも一応動くそうですから,ほとんどのコンピュータで使えるということですね.


  • MusiXTeX のインストールについて

インストール方法については前に挙げた「MusiXTeX入門」の中で詳しく説明されています.ファイルをとってきて実行ファイルを実行したら,すんなりインストールされるという楽なものではありません.しかし,根気強く書かれている通りに忠実に実行していけば,ちゃんとインストールできます.


手順どおりにインストールすると,コマンドプロンプトから ptex, musixflx, dviout というコマンドが使えるようになるはずです.ptex は楽譜のソースファイル(例えばsonata8a.tex)をコンパイルして sonata8a.dvi というファイルを作ります.musixflx というコマンドは,楽譜の音符の配置を紙面にあうように,音符間の間隔を調整するプログラムです.そして dviout というコマンドは,できあがった dvi ファイルを画面に表示させるプログラムです.この他に dvipdfmx というコマンドがあり,これを使うと dvi ファイルから pdf ファイルを作ることができます.pdf ファイルにすると多くの人が見ることができるので,作った楽譜を配布するときは pdf ファイルにしておきます.なお,試作の楽譜の pdf ファイルはこちら(sonata8a.pdf)です.

手順をまとめると,次のようになります.

  1. xxxx.tex ファイルを書く.
  2. ptex xxxx.tex を実行する.(xxxx.mx1, xxxx.log, xxxx.dvi ができる)
  3. musixflx xxxx.tex を実行する.mx1 ファイルを読み込み,音符の間隔が調整される.調整結果は mx2 に書き込まれる.
  4. ptex xxxx.tex を再実行する.← 重要.これを実行することで,mx2 ファイルが読み込まれて音符の位置が調整された状態で dvi が作り直される.
  5. dviout xxxx.dvi として画面に表示する.ただし .dvi が更新されると dviout は自動的にファイルを再度読み込むので,dviout は起動したままでよい.
  6. del xxxx.mx1 xxxx.mx2 としておく.これをしないと楽譜を書き換えても,結果に反映されないことがあります.← 重要
  7. dvipdfmx xxxx.dvi を実行して xxxx.pdf を作る.これは必要に応じて,最後に一度実行すればよい.

実際に手順の 2〜4をコマンドライン上で実行している様子を示します.

ptex を実行したときに出力されるログは xxxx.log に出力されます.見てもあんまり参考にはなりませんが….表示される内容は,実行している環境によって変わるので,必ずしもこの通りになるとは限りません.もしも上に挙げたソースがこの手順でちゃんと表示されないとすれば,インストールの手順に何か問題があるかもしれません.