カール・ツェルニー

ツェルニーといえば,ピアノを習っていれば誰でも知っているオーストリアの作曲家で,練習曲作家としてはJSバッハと双璧をなして恐れられている人物でしょう(多分).低難易度から高難易度まで,さまざまなレベルの大量のピアノ用練習曲を書いた人は,この人を除くとそれほどいなかったということなのでしょうか.この人の書いた練習曲を,何も考えずに易しいほうからひたすら練習していけばいいというのは,教わるほうも教えるほうもある意味楽ではあります.

このツェルニーという作曲家は,かのベートーベンの弟子で優れたピアニストだったそうです.若い頃は普通に作曲家としても活動していたそうですが,晩年は弟子の育成のみに力を注いでいたようで,これらの練習曲もそのために書かれたものらしいです.彼の教え子にはリストをはじめ,この時代に活躍した多くのピアニストがいます.


特に日本では伝統的に,バイエルが終わったらツェルニー100番か30番,その後は40番,50番という感じで順番に習わされることが多いようです(最近は必ずしもそうでもないそうですが…).そのおかげで「ピアノの腕前はツェルニー××番くらい」とか言うと,だいたい分かってしまうから便利です.