ピアノソナタ 14 番 嬰ハ短調 「月光」作品 27-2

この曲の第一楽章は,多少ピアノを弾いたことがあれば絶対に知ってるというほど,相当にメジャーな曲だと思います.しかし,一般の人の前で第一楽章をちょっと弾いても,意外にも「知らない」という人が多かったりするので油断(?)はできません.かくいうわたしも,ピアノを練習し始めて後しばらくしてから知ったという程度なわけです.例によって曲目の解説は,わたしなどがしてもせんなきことですので,よそにお任せするわけですが…


よく言われることですが,この曲は(普通の)ピアノソナタの第一楽章が省かれたような構成になっていて,いきなりゆるやかなテンポの楽章から始まってます.そして,第三楽章に向かってテンポもテンションも上がっていく構成になってます.こんな構成のピアノソナタは,発表当時は相当に斬新だったことでしょう,ところが,わたしは「ピアノソナタ」というものを初めて意識して聞いたのがこの曲だったので「ソナタは終盤が盛り上がるのがスタンダードか!」とか,かなり間違って認識してしまいました(無知ですね).

個人的に,この曲はピアノ曲の中でも抜群に好きな曲です.楽譜を買ってきた日からえんえん練習して,半月ほどで第一楽章だけ強引に弾けるようになりました.今現在、唯一まともに人前で演奏できるレベルにある曲です。ただ、第一楽章が弾けるようになったあとも、第二楽章,第三楽章ともしばらくどんな曲かも知らない状態のままでした。これはダメだろうとおもってホロヴィッツ先生のCDを買ってきて聞いたのですが…そしたらまあ,これがまた曲も演奏も素晴らしいじゃないですか! 聞いたその日から,幻想即興曲に加えてこの曲も,最初から最後まで通して弾くことがピアノを弾く目標の一つに加わりました.