ゲームとピアノソナタ「月光」

わたしが中学生の当時,ほとんどゼロ状態から幻想即興曲を弾こうとして四苦八苦していたわけですが,この曲はそう簡単に弾ける曲ではありません.当然かなり弾きあぐねていました.あまりに弾けないので,もうちょっと簡単で弾きたくなるような曲がないものかと思い,ピアノ曲をあれこれ物色したりもしてました.

そんなあるとき,友達の家に集まってゲームをやってたことがありました.やっていたゲームの中に,ゲームアーツという会社のテグザーというゲームがあって,これに熱中していた覚えがあります.これは,変形するロボットを操ってレーザービームで敵を倒しながら,要塞の中を進んでいくというようなゲームです.要塞の中心まで行くのにかなり時間がかかるので,みんなでプレイヤーを交替しながらやってました.

遊び終わってこのゲームをつけっぱなしの状態で放置していたら,勝手にスタッフロールの画面に切り替わったのですが,このスタッフロールのBGM として使われていたのが,ベートーベンのピアノソナタ「月光」の第一楽章でした.この曲,ピアノをちょっと弾く人なら絶対に知ってるような有名な曲なのに,当時の無知なわたしは全然知りませんでした.それで,音楽が流れているときは「ゲームにしてはえらく深みのあるいい曲だな〜」と感心して,しばらく聞き入ってたんですよね.2回目くらいに音楽が流れ終わったときにふと画面を見たのですが,そしたら画面には "Beethoven Moonlight Sonata" の文字が.これを見て「なんと,これはベートーベンのピアノ曲だったのか!?」と初めて知りました.その後,帰宅途中に全音ピースの「月光ソナタ」の楽譜を買ったことは,言うまでもありません…