コンピュータと楽譜

コンピュータミュージックの世界もここ5年近く遠のいてしまって,今となっては何がなんだか分からなくなってしまいました.Roland が SC55 を発売した当時は,まだまだ電子楽器も表現力が足りないなと思うところがあり,新しい音源が出るたびに買い漁るというような状況が続いていました.しかし,SC88pro や YamahaXG 音源が発売された頃に,素人(少なくともわたし)が求める表現力は満たされてしまい,音源購入熱が冷めました.さらには PC に高性能な音源チップ(というか信号処理専用チップ)が積まれ,さらには MP3 のような音声信号高圧縮技術が広まるに到って,これなら音楽をわざわざPCで作らなくても演奏して録音してしまえば…とか思ってしまったわけです.

そんなわけで,いわゆるコンピュータミュージックから相当離れていました.多分,ほとんど初心者に近いんではないかと思います.それが久々にピアノの練習を再開して,練習用の譜面を作りたいなと思って,何かいい譜面を作るソフトはないのかと探し始めました.浄書用のソフトとしては昔は MusicTeX というソフトがあり(今は MusiXTeX).楽譜の入力に相当の苦労が伴うかわりに,抜群の仕上がりが得られました.しかし,その苦労はまさに苦行そのものです.さすがにその時代から10年以上も経過したんだから,もっと楽な方法があるに違いないと思って,たまたま近くを通りがかった詳しい人に聞いてみました.

すると,なんでも最近は MusicXML なるものがあって,これが譜面の電子的なフォーマットとしては世界標準(に限りなく近い)という話を伺いました.それで Google:MusicXML とかやってみると,Recordare という会社名が付いた MusicXML に関する記事がぞろぞろ出てくるではありませんか.譜面の世界も XML 化されてるんだ〜と少々感心しました.でも,よく見てると日本語のリソースはほとんど無いようです.日本語で MusicXML というキーワードを含むページは,大学などの研究機関か MusicX という製品に関するページだけみたいです.ただし,この MusicX というのは日本の企業(有限会社ミュージカル・プラン) が IPA の支援の元に作っているもので,Recordere の MusicXML とは別の物なのだそうです.